くも膜下出血(破裂脳動脈瘤)について

頭痛で外来受診される方々が最も心配しておられるのがくも膜下出血です。一般には「くもまっか」と呼ばれています。「くもまっか」という言葉は一度は耳にされたことはあるかと思います。くも膜下出血の原因として最も多いのが脳動脈瘤の破裂によるものです。脳動脈瘤破裂後30日の死亡率は45%と言われています。確かに非常に怖い病気です。頭痛はくも膜下出血の主な症状の一つですが、「ちょっと頭が痛いかな?」程度なら問題ありません。一般的にくも膜下出血の際に起こる頭痛は「今までに経験したことのないような」「金槌で叩かれたような」「突然に起こった」と表現される事が多いです。その他にも意識障害やけいれん発作などの症状も起こります。くも膜下出血の診断には頭部CTMRIを行います。脳の隙間に出血があればくも膜下出血と診断し、MRIでは破裂した動脈瘤が何処なのかも確認する事が出来ます。その他に動脈瘤の診断や手術治療に役立つ検査として脳血管撮影があります。カテーテルの検査と言われているものです。動脈瘤の場所や大きさ、形などが把握できれば治療を行う事になります。ただしくも膜下出血の最も怖いところは手術がたとえ上手くいったとしても、それだけでは助かった事にはならない事です。術後数日経った後で言葉が喋れなくなったり、手足が動かなくなることがあります。その原因は脳血管攣縮という脳の血管が縮こまってしまい血液が流れなくなってしまう病気です。血液が流れなくなると脳梗塞になってしまい、意識障害や手足の麻痺、言語障害が残ってしまいます。手術は上手くいったものの、術後脳血管攣縮により手足の麻痺が出現し後遺症を残してしまった患者さんを僕自身も経験しました。では動脈瘤が破裂する前に治療をすればよいのではないかと思い及びます。例えば脳ドックで動脈瘤が見つかったとしてもそれは100%破裂するわけではなく、大きさや形によりますが、多くても年間数%しか破裂することはありません。そこで患者さんも医師も頭を悩ませる事になります。Attachment.png

おくだ脳神経外科クリニック