半側空間無視
今日は半側空間無視(はんそくくうかんむし)についてです。
人は左右の空間を認知してその中で目的を達成するために移動したり、注意をはらうことができます。
例えば子供が飛び出してきたらそれに気づいて避けたり、あるいは止まったりして子供とぶつからないようにしますよね?
半側空間無視とはどちらか左右の空間を認知出来ず、極端に言えば左半分もしくは右半分の空間がなくなってしまっている状態です。
そのため段差があることに気づかずつまずいてしまったり、壁にぶつかってしまうといったことが起こります。
この半側空間無視は基本的に右大脳半球損傷によって起こることが多いです。なぜなら、左大脳半球は右側の空間認知にかかわり、右大脳半球は左側だけでなく右側の空間認知も司っているからです。つまり、左大脳半球が損傷されても、右大脳半球によってある程度カバーができると言うことです。
右の脳梗塞や脳出血後、運動麻痺は回復してきて自宅に帰れたものの左側の障害物などに気づけないために外出ができないという方もおられると思います。
改善させるためには左側のもの(空間)に注意が向いにくいということを自覚し、意識的に左側を見ることを癖づける必要があります。繰り返しトレーニングを行い、無意識で注意をはらえるようになれば日常生活での安全性も向上します。
そしてまず重要なことは、自分の症状を自覚するということです。
リハビリ担当 理学療法士