頭痛は様々な原因により起こります。くも膜下出血や,動脈解離など緊急性を要するものもありますが,これらは突発的な激しい頭痛となることが多いです。対して片頭痛など慢性的に頭痛が生じている方が大半だと思います。

その中で頭痛が起こるとき,首や肩のこりも同時に自覚している方は多いです。頭痛のため,自然と緊張してしまい首や肩のこりにつながっている可能性もありますが,このこりが原因で頭痛になってしまっている場合もあります。

特に,後頭部から側頭部にかけての頭痛については後頭神経の関与が考えられます。後頭神経は首の後面の筋肉に沿って走行し,後頭部から側頭部の感覚を支配しています。そのため,首や肩の筋肉が緊張してしまうとこの神経を圧迫してしまい頭痛につながります。

細かい文字やパソコンの画面を長時間見なければならないデスクワークで目を酷使している方は特に起こりやすいです。首の筋肉と目の動きの関連もあり,頭を前に突き出す姿勢も相まって首の筋肉はどんどん固くなります。

症状を緩和させるためのポイントとなってくるのはやはり“姿勢”です。顎を引いてできるだけ身体のラインから頭を遠ざけないようにするだけでも首の筋肉への負荷量は減ります。さすがにこの姿勢をキープし続けるのは難しいので,1時間に一度は顎を引いた姿勢をとる,もしくは立ち上がって肩を回すなどするのも良いかもしれません。

また,首は頭と体幹に挟まれている部位でもあります。そのため体幹の機能不全(例えば胸椎が固い,腹筋が弱いなど)がベースとなり首への負荷がかかってしまっている場合もあります。むしろこのような身体的特徴がベースとなっていると考えます。

首・肩がこる身体的特徴を改善していくことが重要です。

 

理学療法士 杉澤

おくだ脳神経外科クリニック