タイトルのワレンベルグ症候群という言葉を聞いたことはあるでしょうか?

ワレンベルグ症候群は延髄外側症候群とも言われ,文字通り延髄の外側の障害で生じます。

椎骨動脈解離(動脈の壁が傷つき,そこに血液が流れ込む)などが原因となり脳梗塞が起こってしまうことで生じる事が多いです。

 

延髄の外側には前庭神経核,三叉神経,小脳との連絡路,温痛覚を伝える神経路,自律神経等が通っています。

例えば左延髄外側の脳梗塞になった場合,左顔面・右半身の感覚障害(温痛覚),眼振,発声困難,左手足の運動失調(小脳症状),交感神経障害(眼瞼下垂・瞳孔縮小)などが生じます。

 

脳は大まかに大脳,小脳,脳幹と分けられますが,延髄は脳幹に含まれます。脳幹には呼吸中枢など生命維持に必要な部分が集まっているので特に重要な部分です。そのため,脳幹部分の脳梗塞や脳出血は特に注意すべきものです。

お風呂に入流ときや料理をしているときに温度が感じにくかったりする,手で物を取るときにてがぐらぐらするなどの症状がある場合は早めに医療機関を受診することをお勧めします。

 

理学療法士 杉澤

おくだ脳神経外科クリニック