当たり前のことですが,日常生活では知らず知らずのうちに目を使っています。

目で何かを見るということは,それに伴って頚部運動も起こっています。目で何かを見るときに目だけを動かして見るということはしません。

そのため,デスクでモニターが右側にある,左側に上司が座っているなどちょっとした環境が原因となり首の筋肉のバランスに異常が出てきてしまいます。

特に頚部運動は伴わずとも眼球運動により収縮するのが後頭部と第1,第2頚椎の間にある小後頭直筋・大後頭直筋・上頭斜筋・下頭斜筋で,いわゆる後頭下筋群と言われている筋群です。

この後頭下筋群が過緊張状態になってしまうと,第1,第2頚椎といった頚椎の上の部分の動きが制限されてしまいます。

動きが制限されるとどうなるかですが,脊椎全般に通じるところでどこかの動きが悪いと他の部分でカバーします。つまり,頚椎の上の部分が動きにくいとなると下の部分でカバーします。そうすると下の頸椎にかかる負荷が大きくなり,二次的に痛みが出てくることもあります。

 

私見ですが,頚部痛で来られる患者さんの大半は上位頸椎の動きが悪いと感じます。上位頸椎の動きが少なくなり,表層の筋肉の緊張が高まって痛みに繋がっている状態です。

この場合は,表層の筋肉を緩めた上で後頭下筋群の働きを促し上位頸椎の動きを引き出していく必要があります。

 

理学療法士 杉澤

おくだ脳神経外科クリニック