共同運動パターン
中枢性病変(脳卒中など)により重度の運動麻痺が生じた場合、回復過程で共同運動パターンというものがあります。
一般的に発症直後は弛緩性麻痺(筋収縮がほとんど起こらない)から始まり、徐々に筋緊張や収縮が出てきます。その後共同運動というパターン化された運動が可能となってきます。上下肢ともに、屈曲(曲げる)・伸展(伸ばす)といった動きが上肢全体または、下肢全体でできるようになっていきます。具体的に力を入れようとすると屈曲では肩・肘・手の関節すべてが体に近づく方向に、伸展ではすべてが体から離れる方向に動いていく状態です。
教科書的にはこの共同運動の時期を経て、徐々に単関節の運動(分離運動)が可能となってきます。
ただし、死滅してしまった脳細胞は基本的に再生されないので損傷具合によりどこまで回復するかはわかりません。
そもそもこの回復過程通りにいくかも人により違います。
最も回復幅が大きい発症から半年の間に集中的にリハビリを行い、共同運動でない運動方法を身につけていくことが大事だと思います。
リハビリ担当 理学療法士