脳損傷後の運動学習
脳損傷後の運動機能回復での脳活動と、健常者が新しい運動を学習するときの脳活動は類似していると言われています。
特に運動学習は小脳、大脳基底核(被殻、視床など奥の部分)、大脳皮質の協調が重要です。
運動学習の戦略として
①強化学習
②教師あり学習
③教師なし学習
があります。
①強化学習は自分が思い描いていた結果を達成できた、あるいは思ってた以上の結果にいきついた際に成果が出ます。この時、ドーパミン(快物質)が作用し、脳が活性化します。
②教師あり学習は意図した運動予測と、実際の運動結果の誤差により学習します。小脳が運動の誤差を大脳皮質に伝えることにより運動の修正を行なっていきます。
③教師なし学習は課題を繰り返すことで記憶が作られ、その記憶と実際の結果を結合していく学習過程のことです。能動的に課題に取り組むことにより成立する運動学習です。
これらの戦略にて運動学習が行われ、動作がしやすくなっていったり、出来ないことができるようになっていきます。
脳卒中発症後のリハビリはこの学習を利用し、回復を促していきます。
この学習の際に、ご自身で間違った運動学習(非効率的な動作)をしていることもよくあり、その場合は修正した運動方法を学習していくよう行っていきます。
リハビリ担当 理学療法士