脳卒中後に、ほとんど麻痺がないにもかかわらず歩くスピードが落ちたり場合によっては腰痛が出てきたりすることが多いです。
目に見える症状はなくても発症前と変わっている点があるということは間違えないと思います。

よくみられるものとして、足部の機能不全があります。脳卒中後遺症患者さんは足の前の部分(母趾球周辺)が硬くなってしまうことが多いです。
動きがなくなるということは、その部分の筋肉の動きがなくなり、その部分を使えない状態となります。歩くときの蹴り出しがうまくいかない状態です。
それだけでなく、筋肉は重要な感覚受容器の役割も持っているため、足の感覚情報も脳に届きにくくなります。

難しい話になりましたが、蹴り出しがうまくいかなくなったとき、どこでかばうかというと膝や股関節・腰です。このために発症前にはなかった腰痛が起こってしまうことがあるのです。

あくまで一例ですが、脳卒中により使えなくなった部分を使えるように再度練習していくことにより、発症前に近づけていくこともリハビリの役割となります。

理学療法士 杉澤

おくだ脳神経外科クリニック